本文へスキップします。

多様性の尊重 / 人的資本への取り組み

1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方の提案やキャリア構築の支援、安心して働ける環境づくりに取り組むことで、パソナグループの持続的な発展につなげております。

a.ダイバーシティ&インクルージョン

当社では全員が総合職として入社し、男女の隔たりのない人材育成や適材適所配置を実践しております。従業員全体に占める女性の割合は63.0%、全管理職に占める女性の管理職の割合は54.6%となっております。そして、出産、子育て、介護などのライフステージの節目においても社員が活躍できるよう、「在宅勤務」「短時間勤務」「フレックスタイム」などの柔軟な勤務制度を整備。グループ本部内には事業所内保育所も設置し、兵庫県淡路島のパソナファミリーオフィスでは、従業員が子供と同じ空間で働ける環境を整備しております。
女性の人材育成・キャリア形成支援については、2014年にスタートした次世代女性リーダー育成プログラム「ワンダーウーマン研修」の修了者のうち2名がグループ会社の社長、22名が執行役員、9名が副役員、33名が上位責任者に昇格するなど成果を上げております。
パソナグループで培ったノウハウを生かし、2021年からは企業の経営幹部に求められる第一線のビジネス力、プレゼンス力を学び、自社だけでなく、社会に貢献できる女性幹部候補を育成するプログラム「Women’s Advanced Program」のサービス提供を開始しております。これまでに33社35名の女性幹部候補生を育成いたしました。

こうした様々な取り組みが評価され、当社は女性活躍推進に優れた上場企業を選定する令和3年度「なでしこ銘柄」に選定されました。

取締役及び執行役員に占める女性の割合: 35.8%
全管理職に占める女性の管理職の割合: 54.6%
社員全体に占める女性の割合: 63.0%
外国人人材に占める女性の割合: 72.7%
女性の育児休業取得率: 100%
男性の育児休業取得率: 15.6%
女性社員の出産後の復職率: 毎年100%水準

※2022年5月末時点の株式会社パソナグループと株式会社パソナの合算値

※パソナグループの女性役員比率は、株式会社パソナグループと株式会社パソナの合算値
※上場企業の女性役員比率は、東洋経済新報社「役員四季報」より作成

パソナグループは国籍を問わない積極的な人材採用を実施しており、事業運営の中核である管理職における外国人人材の割合は1.0%(海外子会社を含む連結では7.7%)です。2017年からは世界39カ国・地域から76名の優秀な若者や社会起業家を受入れ、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す人材育成プログラム「Awaji Youth Federation」を実施し、多様な価値観と知識・経験をもったグローバル人材が新たなイノベーション創造に向けて活躍しております。また、当社の管理職における中途採用者の割合は56.2%です。今後も引き続き、積極的に外国人人材・中途採用者の管理職登用を推進し、多様性の確保に注力してまいります。

また、「障害は個性、才能に障害はない!」をコンセプトに、働く意欲がありながら、就労が困難な障害者がイキイキと働ける環境と健常者と共に社会参加できる“共生”の場を創り出してきました。オフィス業務はもとより、“アート”による就労分野の拡大を目的にアーティスト社員が就労する「アート村」や、農業のプロとして無農薬・有機で安心・安全の野菜やお米・ハーブを栽培する「ゆめファーム」、一流職人の指導のもと無添加のパン・焼き菓子等を製造・販売する「パン工房」など、特例子会社パソナハートフルをはじめ、グループ各社で個々の能力を活かして活躍の場を広げております。さらに、これまで培ってきた障害者雇用における様々なノウハウを活かし、障害者雇用に積極的に取り組まれる企業へ向けたコンサルティングやCSR活動支援にも注力しております。

障害者雇用数(パソナグループ各社合計)560名 (2022年5月期)

b. 人財育成

パソナグループは、これまでの企業依存型社会から、誰もが才能と能力を活かして活躍できる個人自立型社会への転換に向け、従業員の自律的な成長はもとより、エキスパートスタッフ(派遣社員)の方々、そして働きたいと願う方々に向けたキャリア開発支援に取り組んでおります。

社員の自律的なキャリア構築を支援

グループ全従業員を対象とした研修教育プログラムを企業内大学「パソナ“こころざし”ユニバーシティ」として体系化し、実施しております。各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得をはじめ、一人ひとりの才能や可能性を最大限に活かす選抜研修、デジタルスキルを身につける多様な研修、グループの次世代を担う経営人材の育成など、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。

従業員研修費用 / 対象者人数※1 252百万円 / 3,275人
従業員一人当たりの平均研修時間※1 69時間
年次・職位・職能別研修参加者数※2 延べ482名
次期上級管理職育成プログラム 参加者数※3 副役員 17 、ジュニアボード 16名、CBO ボード 21名、ワンダーウーマン研修 13名
体験を通じて企業理念を理解する社会貢献委員会 国内外グループ各社より40名が参加

※1 2022年5月期の株式会社パソナグループと株式会社パソナの従業員で算定
※2 2022年5月期の株式会社パソナグループと株式会社パソナの従業員を対象にした研修で算定
※3 2022年5月期実績

パソナ“こころざし'ユニバーシティ

新たな付加価値を生むDX人財の育成

グループ従業員全体のITリテラシー向上や、DXを推進する専門人財の育成、データとデジタル技術を活用した新たなソリューション開発を目的に、階層別の教育体系を整備しDX人財の育成に注力しております。2024年5月末までにグループ全体で約3,000名のDX人財の育成を掲げ、2022年5月期は500名のDX人財を育成いたしました。DX人財の育成を通じ、サービスに新たな付加価値を創造し、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。

働く人々のキャリア創りをサポート

国家資格を持つパソナグループ従業員のキャリアコンサルタントが、働きたいと願う方々の能力や強みを丁寧に引き出し、年間220,000名のキャリア創りをサポートしております。また、スキルアップや資格取得などに役立つ2,300もの専門講座が学べる「Pasona Career College」を提供し、110,000名の方が受講しております。
また、働く人々のキャリア形成だけでなく、人生における多様な相談にも対応するため、育児や介護等の様々なライフイベントに関する専門知識を持つ専門家「ワークライフファシリテーター」の民間資格を2022年4月に創設いたしました。2024年5月までに650名の育成を目指してまいります。

1級キャリアコンサルティング技能士 19名
2級キャリアコンサルティング技能士 385名
国家資格キャリアコンサルタント 405名
産業カウンセラー等関連資格 314名

※2022年5月末時点の株式会社パソナグループと株式会社パソナに在籍する人員

世界各国の若者が集い、新たなイノベーション創出を目指す

世界から優秀な若者や社会起業家が集い、多様な価値観や知識・経験を活かして、新たな産業の創造や地方創生の実現を目指す「Awaji Youth Federation」を2017年から実施しております。第1期~3期生で39カ国・地域の若者76名のフェローを輩出いたしました。フェロー達はプログラム修了後、日本を含む世界各国・地域において様々な社会課題解決に取り組み、一部は兵庫県淡路島に移住し、さらなるイノベーション創出に向けた挑戦を続けております。

ひとり親家庭への就労サポート

雇用と生活の両面で困難な状況に直面する「ひとり親家庭」の方々に向け、仕事・住居・教育をトータルで支援するプロジェクトを2020年8月から兵庫県淡路島で開始しております。淡路島で安心して仕事に従事できる環境とともに、自然の中で伸び伸びと子育てをしながら、充実した教育を受けられる環境を提供し、2022年5月末時点で24世帯55名の方が淡路島で生活を送っております。また、シングルマザーの方々に、学び直し(リスキリング)による就業機会の創出と、職業選択の可能性を広げる支援を実施。キャリアカウンセリングを行った後、個々の適性やビジョンに合わせたコース別スキル教育を提供し、プログラム終了後にはパソナグループの全国ネットワークを活かした就労支援を実施しております。これまで550名の方が参加し、新たなキャリアにチャレンジしております。

フレッシュキャリアアッププログラム

コロナ禍で事業活動に影響を受けた企業の“若手社員の雇用維持とキャリアアップ”を支援するため、自宅待機や休業等を余儀なくされている社員を出向で受け入れ、パソナグループが兵庫県淡路島で展開する関連施設のほか全国で就労機会を創出する「フレッシュキャリアアップ プログラム」を2021年4月に開始いたしました。これまで70社から1,600名の受け入れを行いました。

ギャップイヤープログラム

コロナ禍で困難な就職環境に直面した新卒未就労者を支援する「ギャップイヤープログラム」を実施し ております。これまで30名が参加し、最長2年間パソナグループの契約社員として働きながら、ビジネスの基礎や社会人としての教養を身につけ、夢や目標に向かい、自身の可能性にチャレンジしております。

c. 多様なキャリアパス、就業機会の提供

「自分のキャリアは自分で創る」をポリシーに、従業員が自律的にキャリアを形成できる環境と、社員一人ひとりの「夢」や「志」の実現をサポートする制度を整備しております。

社員の〝複線的なキャリア構築“を支援

社会の環境変化に臨機応変に対応できる人間力を身に付け、社会に貢献できる人財を育成するため、2022年4月入社の新卒採用から「ハイブリッドキャリアプログラム」を開始しております。新入社員が配属部署での業務に携わりながら、「営業×農業」、「人事×新規事業立ち上げ」、「経営企画×起業家」等、職種と場所を超えて、入社1年目から社内の複数の業務に従事できる環境を整備し、240名がハイブリッドキャリアを実践しております。社外での就業(複業)支援も行い、社員が各々の夢・志にチャレンジし、多様な未来を描ける複線的なキャリア構築を支援しております。

社員のキャリアチャレンジを応援

社内公募されたポジションに自ら手を挙げチャレンジできる「オープンポジション制度」を1989年より実施しております。2022年5月期は、52名が本制度を活用し新たなキャリアチャレンジを行いました。 また、社員自らが考えるキャリアプランを毎年直接人事部門に申告できる「マイキャリアバンク」を1993年から実施しており、社員の自律的なキャリア形成を支援しております。

社内ベンチャー制度「チャレンジの日」

1995年から毎年、創業記念日である2月16日を「チャレンジの日」として制定し、全社員から新規事業や業務改善提案を募集しております。応募案の中から優れた企画は事業化を支援し、新たな新規事業を創造しております。全ての従業員が、創業の精神に立ち返るとともに、社員一人ひとりの「夢」や「志」を実現する制度として、またイノベーション創出に向けた自律的な組織作りを推進しております。2022年5月期は、社内外から有識者を招き新規事業について学ぶ勉強会や、新規事業の立ち上げを指南する講座を実施し、新入社員から海外現地法人の社員まで、多様な社員から計1,300件の応募がありました。

d. 健康経営への取り組み

パソナグループでは、経営トップの健康経営に対する方針のもと、産業医、健康推進室、人事部門など、会社全体の健康経営施策を担当する部門が、定期健康診断データやライフスタイル調査にもとづいて、従業員がイキイキと活躍することができる健康経営を推進しております。また、保健師や管理栄養士、スポーツトレーナーなどの専門スタッフとともに、従業員の心身の健康と身体づくりを支援する独自のプログラムを開発しているほか、全国の拠点及びエリアに配置された衛生委員が中心となり、各地域の職場環境の声を収集して、各施策の立案に活かしております。
当社は、日本健康会議と経済産業省が主催する健康経営優良法人認定制度において、6年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)~ホワイト500~」に認定されております。

ライフスタイル調査の実施及び結果公表

年1回、全ての従業員を対象にライフスタイル調査を実施しております。運動・食事・睡眠・嗜好(飲酒・間食・喫煙)のカテゴリで生活習慣をスコア化し、個人の結果及び全社における自身の健康の位置付けをフィードバックすることで、生活習慣の見直しに役立て、従業員一人ひとりの健康リテラシーを高める取り組みを行っております。2022年5月期は、グループ30社7,000名がライフスタイル調査に回答いたしました。

ヘルスケアリテラシー教育

多くの女性が活躍するパソナグループでは、女性がライフステージの変化に応じて自分らしく活躍するために、女性特有の健康課題について学ぶ「女性の健康講座」を従業員を対象に実施(2022年5月期 参加者3,900名)しております。また「メンタルヘルス研修」は、管理職向けと全ての従業員を対象にした階層別に開催(計3回開催、参加者10,700名)しております。

オンラインでの健康づくり

仕事をしながら気軽に取り組めるオンラインエクササイズや、ランチタイムに専門家から実践的なアドバイスを受けることができる「健康LIVEセミナー」を定期的に開催し、全国の社員や、エキスパートスタッフ(派遣社員)の方々が自宅やオフィスから気軽に参加できるプログラムを開催しております。2022年5月期は、オンラインでのプログラムに延べ1,600名が参加いたしました。また、次期幹部候補生のジュニアボードが自社オリジナルの「パソナ体操」を考案し、朝礼や会議前などに社員が一緒に身体を動かすことで、グループ各社や部署の垣根を超えたコミュニケーションを促進しております。

相談窓口の設置

従業員やエキスパートスタッフ(派遣社員)の方々が、キャリアの相談のみならず、自身の健康やライフスタイルなど様々な悩みを相談できる窓口を設置しております。産業医や健康推進室、人事部門(ワーク・ライフ・ファシリテーター)による支援に加え、先輩ママ社員との座談会など従業員同士の情報交換による相談機会の提供も行っております。2021年8月からは女性特有の健康課題や育児・出産に関して専門医に相談できる「オンライン相談窓口」を設置しております。

※キャリアや仕事、家庭、介護や育児との両立等、従業員やその家族の健康に関わるあらゆる悩みをケアするサポーター。従業員一人ひとりに寄り添い、アドバイスするサポート体制を整備し、2022年5月期は1,800回の面談を実施

女性の健康サポートプログラムの提供

パソナグループでの支援ノウハウを生かし、女性の健康づくりに関する研修や、女性特有の健康課題を専門医に相談できるオンライン相談窓口などを企業に提供する「Kira+sup(キラサポ)」を2021年に開始しております。2022年4月からは、民間企業に加え、健康保険組合連合会東京連合会62健保・計約50万人にサービスを提供し、働く人々が心身ともに健康でイキイキと活躍できる環境づくりと、企業の健康経営の推進を支援しております。